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「おはようございます!」

 

 顔を見て、その一言を言うだけでも緊張する。毎日毎日、顔を合わせているというのに未だに慣れない。

 “好きな人”と話すことに未だに慣れない。

 

 私が好きになった相手は職場の上司。毎日同じチームで働く私の直属の上司だ。

 だけどこの気持ちは片思い。あんなにかっこよくて仕事も出来て優しい上司が私のことを好きなわけがない。もしかしたら彼女がいるのかもしれない。

 頭ではそう分かっていても、心はそうはいかない。

 顔を見るだけで心臓がバクバクと高鳴るし、声も裏返ってしまう。仕事が手につかない日だってある。

 

 見かねた私の同僚がとあるサイトを見せながらこう言った。

 

「占いに行ってみなよ。その悩み、解決するかもよ?」

 

職場の上司に片思い♡占いでみてもらった

 

 同僚に勧められるがまま、私はそのサイトで占いの予約をした。

 かなり人気な占い師さんのようで予約が埋まっている。なんとか空いている日を見つけて、私は占いに行ってみることにした。

 

占「はじめまして~。本日はどうぞよろしくお願いいたします~」

私「はじめまして。こちらこそよろしくお願いします」

 

 占い師さんは一見、普通の人に見えた。

 着物を着ているわけでも、派手な恰好をしているわけでもない。至って普通な、どこにでもいるオバチャンといった印象だった。

 

占「何を占いましょうか?」

私「恋愛について、お願いします」

占「承知しました」

 

 占ってもらう以上、私の身の回りの話はした方が良い。そう判断して、私は上司と私の関係について説明した。

 

占「では知りたいのは上司さんの気持ち、というわけですね?」

私「はい……。両想いなんてことはないと思っているのですが、なかなか諦めがつかなくて……」

占「結果はまだ出ていません。そんな悲しいこと言わないでください~」

 

 占い師さんは元気づけるように私の手を握ったが、正直その可能性は低いと思っている。

 私と上司とじゃ釣り合わないよね……。

 今日は占い結果をきちんと受け止めて、この片思いを終わらせようと思っている。安易な期待は自分を傷つけるからしたくない。

 

占「とにかく占ってみましょう。上司があなたのことをどう思っているか、視てみましょう!」

 

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片思いの占い、相手はどう思ってるかみてもらった

 

私「視てみましょうって……視えるんですか?」

占「視えますよ? 本物の占い師ですから」

 

 占い師さんは“視える”と言った。それが本当なら今日で私の片思いに決着がつく……!

 

占「ではまずは、こちらの紙に上司のお名前を書いてください。フルネームでお願いします」

私「え? 名前?」

 

 占い師さんが差し出したのはなんら変哲もない、ただの紙。強いて言えば会社で使っているような真っ白なコピー用紙ではなく、薄いピンク色の紙だった。

 

占「こちらの紙にお名前を書いて頂ければ“霊視”でその方の想いが視えます」

 

 私は言われるがまま、その紙に上司の名前を書いた。今まで幾度となく見てきたその名前を。

 

占「では……視ます」

 

 そう言うや否や、占い師さんは目を見開き、微動だにしなくなった。

空気が変わったと言うべきか。ヒヤリとした空気が場を支配した。

 

占「…………おや?」

私「な、なんですか?」

 

 占い師さんは何かが視えたのか、ニヤリと笑った。

 良いことなのか悪いことなのか、その表情だけでは判断できない。

 ゴクリと喉を鳴らして、占い師さんの次の言葉を待った。

 

占「この方……今は好きな人がいないみたいです。彼女はいませんね」

私「…………え?」

 

 

上司に片思い、告白はしてもいいかみてもらった

 

 彼女がいない。そう聞くともしかしたら私にもチャンスがあるのでは? そう思わずにはいられない。

 だけど会社で毎日会う以上、軽率なことは出来ない。もし告白でもして振られたら、会社に行くのが辛くなってしまう。

 

私「彼女がいないってだけで私と付き合えるかどうかなんて分かりませんよね……?」

占「そうですねぇ。未来を見ているわけではないので確実だとは言い切れません。ただ……」

私「ただ?」

 

 もう一度喉を鳴らし、占い師さんを凝視する。

 

占「告白が成功しやすい日を視ることなら出来ます。どうしますか、視てみましょうか?」

私「……お願いします」

 

 おかしいな、今日は片思いを諦めるために来たはずなのに。

 だけど私にもチャンスがある。それを少しでも感じてしまったら我慢出来ない。だって上司のことが好きだから……!

 

 

占「…………来月の中頃に上司とあなたの距離が一気に縮まる。そんな日が来ると視えました。その後に告白されるのが良いかと思います」

私「来月、ですか?」

占「今よりもぐっと距離が縮まる。私にはそう視えています」

 

 来月と言われてドキリとした。だって来月は上司と二人で出張に行く予定がある。日帰りではなく、二泊三日で。

 

私「その後なら……良いんですね?」

占「はい。来月の下旬が良いかと思います」

私「……分かりました。参考にします」

占「頑張ってくださいね!」

 

 占い師さんに後押しも貰い、私はお店を後にした。

 チャンスがあるなら私だって……!

 

まとめ

 

 現在私は直属の上司とお付き合いをしています。

 出張が終わった後、勇気を出して告白したらなんとOKを貰えたのです!

 片思いを諦めるつもりで駆けこんだ占い。あの時チャンスがあることが分かったから。今こうして幸せな毎日を送っています。

 占いを勧めてくれた同僚、勇気づけてくれた占い師さんには頭が上がりません。

 

 

 辛い片思いに心が折れそうになっている、そこの貴方。

 諦めてしまう前に一度占ってみませんか?

 チャンスがある。私たちに見えなくても占い師さんが必ず視てくれます。

 全て諦めてしまう前に一度占いに行ってみることをオススメします!

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