郷里に帰省して、
家族や友達と何気なく話をしているとき、
突然、「半殺し」という言葉を聞いて、
「え、何の事」と驚いたこがあります。
以前祖母に、「やっぱり半殺しが良いよね」
と話題を振られたときに、
なんと答えたら良いか分からず、かなり戸惑いました。
たとえ、同じような地域に住んでいても、
馴染みがなかったり、耳にしたことがなかったりする言葉ですが、
こちらでいう「半殺し」とは、実はおはぎ(ぼたもち)の事で、
全国で使われている言葉だそうです。
名前の由来は、おはぎ(ぼたもち)を作るとき、
もち米に、うるち米を混ぜたものを、半分だけ潰すことから
「半殺し」と呼ばれると言われています。
秋分の日に、おはぎを食べるのはなぜ?
秋分の意味と由来!
ではどうして、秋分の日に、おはぎを食べるのでしょうか?
おはぎとぼたもちは、どう違うのでしょうか?
秋分の日は、「彼岸」と呼ばれる期間にあります。
仏教では、【極楽浄土は西の彼方にある】と考えられており、
秋分の日に、太陽が真西に沈むことから、
ご先祖様がいる方向が、最も良く分かるとされているそうです。
そして、「彼岸」は、あの世とこの世が
一番近くに感じられる日とされていることと、
農耕民族であった名残で、
豊作を祈る春と、収穫を感謝する秋の彼岸には、
ご先祖を偲び、お墓参りをする
習慣となったのだと思います。
◎ではなぜおはぎを食べるの?
とても高価であるとされていた、砂糖ともち米を用いたことから、
ご先祖様を思いやる気持ちを示しているそうです。
そして、「邪気を払う」とされる、小豆を合わせることで、
【ご先祖様と心を合わせる】という意味が
込められていると言われています。
◎なぜ秋分の日に、おはぎと呼ぶの?
おはぎの語源は、秋に咲く「萩の花」から、
ぼたもちの語源は、春に咲く「牡丹の花」から
と言われています。
その為、
秋の彼岸に作るのが、「おはぎ」
春の彼岸に作るのは、「ぼたもち」と呼ばれています。
しかし、近年では「ぼたもち」の事を、「おはぎ」と
呼ぶ人が関東の方で増えているそうです。
半殺しって、おはぎの事!
落語にでてくる、おいしいおはぎの作り方!
「半殺し」の他にも、「皆殺し」という言葉を聞いたこと、
ありませんか?
「皆殺し」とは、餅のことを言うそうで、
これに「手打ち(蕎麦)」を加えた話が、落語にされています。
〜「半殺し」がいいかな?
いや、せっかく都会から来られた方だから
「手打ち」にしようかな 〜
(わかりやすい言葉に変更しています)
話し手側は、「おもてなし」を相談しているのに対し、
意味がわかっていない聞き手側は、
震え上がってしまいます。
最後に、その「おはぎ」の美味しい作り方を
ご紹介させていただきます。
◎美味しいおはぎの作り方
まず、
「あんこ」について、
好みにもよるかもしれませんが、
あんこは市販のものを用意すると、
おはぎは簡単に作れますが、
甘さや、あんこの柔らかさにこだわりたい方には、
「小豆」から作られることをおすすめします。
参考までに…
小豆は他の豆とは違い、一晩水に浸けておく手間が
必要ありません。
水で洗った後、10分程茹で、ザルに上げて水洗いし、
冷めたら茹でることを、2~3回繰り返してください。
豆が柔らかくなってきたら、砂糖や塩を好みに合わせて加え、
潰しながら煮詰めると、「初めての方」でも簡単に
『粒あん』を作ることができます。
ここで、
用意した「あんこ」を、一個分ずつに分けておきます。
(この手間があることで、より作りやすくなります。)
次は、米を炊いていきます。
蒸し器を使う方もいらっしゃいますが、
炊飯器を使うと、より簡単にできます。
同量のもち米とうるち米を合わせたものをとぎ、
炊飯器の目盛りの水の分量より、水を少し少なめにして、
30分程度浸してから炊きます。
炊き上がったら、15分は蒸してください。
蒸し終わったら、少し塩を加え熱いうちに潰していきます。
麺棒などに水をつけて使用すると、くっつきにくいです。
潰し加減は好みによりますが、基本は粗潰しです。
ごはんが潰せたら、熱いうちに丸めて、あんこで包みます。
アツアツですのでラップを使用すると良いでしょう。
水にぬらした大きめのスプーンを使い、
「一個分はスプーン○杯」と決めておくと、
同じような大きさに作れると思います。
あんこに包んで完成です。
好みによっては、
ごはんの中にあんこを包み、
きなこに砂糖と塩を混ぜ合わせ、
それをまぶしたものも作ることができます。
是非、ご家庭で作ってみてください。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。