当記事では、福岡県北九州市にある『松本清張記念館』の楽しみ方、展示物、購入グッズなどをご紹介します。
歴史小説・推理小説のスペシャリストである松本清張は、芥川賞受賞者でありながら遅咲きの小説家。そんな清張の執筆業や、私生活に迫るのがここ『松本清張記念館』です。
『松本清張記念館』は小倉城(JR小倉駅より徒歩15分)の敷地内にあるため、ぜひ小倉城観光と併せてチェックしてみてください。
松本清張記念館の楽しみ方は?
さて、まずは『松本清張記念館』の楽しみ方をナビゲートしていきますね!
【お得な3施設共通チケット】
冒頭でもお伝えした通り、『松本清張記念館』は小倉城の敷地内にあるので、せっかくなら小倉城&小倉城庭園も併せて巡るのがオススメです。
そこでお得なのが、3施設共通のチケット(¥700)!
単独だと
松本清張記念館 |
¥600 |
小倉城 |
¥350 |
小倉城庭園 |
¥350 |
(合計 ¥1300)なので、なんと¥600もお得になります♪
全て回ると¥700とは思えないボリュームと充実感が味わえるので、ぜひ利用してみてください^^
【館報】
記念館が出している館報!「ご自由にお取りください」とあったので持って帰ってきましたが、これがなかなかの読み応えでした。
中には「松本清張研究会」の研究発表会の内容が。作品と清張の人生・ライフステージを絡めて考察したもので、大変興味深く中身の濃いものでした!
ちなみに、この館報の表紙で紹介されている「遭難」という短編ミステリーが、私は大好きです^^
【スタンプ】
ぽてっと厚い唇が特徴的な清張。『松本清張記念館』には、そんな清張の特徴をよく捉えたオリジナルスタンプが用意されています。
やや怪訝そうな表情ですが、愛嬌もあって思わず笑ってしまいました^^ ぜひ、旅の記念にポン!とスタンプを押すのをお忘れなく♪
【SEICHO café】
『松本清張記念館』にはミュージアムカフェがあり、こちらは入場無料で利用することができます。
ただし営業時間が短いのでご利用は計画的に!(11:30〜14:30 季節により15〜30分ほど変動あり)私は間に合いませんでした(;;)
個人的にはデザートの「カフェオレ大福」が食べてみたかった。アジフライカレーも美味しそう・・・
ブレンドコーヒーは「清張」ではなく、なぜか「静聴」オリジナル。そんなところもちょっと気になりました♪
松本清張記念館の展示内容は
ここからは『松本清張記念館』の展示内容をご紹介します。
館内は撮影禁止なので、イメージしづらいところもあるかもしれませんが、ぜひお付き合いください^^
【東大寺の礎石】
展示室入ってすぐの所に、平べったく大きな石が置いてあります。これ、清張がすごく気に入って東京の自宅に置いていたものなのだそうです。
展示室後半に清張の自宅を再現したコーナーがあるのですが、そこには庭でこの礎石と一緒に映る清張の写真が。心なしか、この写真に映る清張は、いつもの写真より表情が柔らかくご機嫌そうでした^^
【清張の作品群】
700にも及ぶ清張の著作が、ブラックパネルに並んでいます。天井に届くほど、堆く掲示された清張の作品群・・・まるでステンドグラスを見ているような気分でした。
【生涯とその時代】
「社会派ミステリー」と呼ばれることも多い、清張の推理小説。このコーナーでは、清張の歩みとともに、同時代の世情や当時流れていたニュースなどを紹介しています。
清張のミステリーに触れてから思い返すと、「なるほど。社会背景が反映されていたんだな」と改めて納得。行く前に清張作品に触れておいたら、もっともっと楽しめたかも!
【清張の仕事】
「或る「小倉日記」伝」が芥川賞を受賞してからの上京→執筆業が本格化し、この時すでに40代。人生の後半で怒涛の執筆活動がスタートしたのだから、ものすごいバイタリティだったのでしょうね。
推理小説だけでなく、歴史小説、現代小説、古代史・・・など、ジャンルが幅広いのも驚きです。どの作品にも「社会問題」とか「人間の本質」にスポットを当てている・・・ということも分かりました。
【映像コーナー】
「推理劇場 日本の黒い霧-遙かな照射」の上映が1日5回行われています。私は残念ながら間に合わず(><)記念館のみで視聴できる秘蔵映像らしく、すごく気になったのですが・・・。
1回1時間20分と結構なボリュームなので、しっかり見たい方はスケジュールにゆとりを作っておくことをオススメします!
【清張の自宅】
小倉出身の清張ですが、半生は東京で過ごしました。ここにはそんな清張の東京の自宅が、亡くなった1992年の形をそのままに移されています。
応接室、書斎、書庫とありますが、なんといっても驚くべきは書庫の大きさ!結構な広さを持つ記念館の1〜2Fをぶち抜いて設置されているくらいですから、それはもうおったまげました^^;
でも、全て清張の創作に欠かせない資料だったんですよね。蔵書の多さが、清張の勉強量と教養の深さを物語っています・・・。
ぜひ2階から見下ろしてみてください。壮観ですよ〜!
松本清張記念館のグッズは何がある?
『松本清張記念館』のミュージアムショップには、オリジナルのグッズがずらり!
例えば、先ほど紹介したオリジナルスタンプが印刷された
・クリアファイル
・ブックカバー
・手拭い
・一筆箋、付箋
とか、
・清張カメオしおり(カメオ=貝殻や石に浮き彫りをしたもの)
だとか、
・清張の推理小説のタイトルが並んだ湯呑み(まるで布目鮨字のように)
・・・などなど。フフッと笑ってしまうようなユニークなものが多い印象でした。
ですが、ここで私が気になったのは・・・
やはり書籍!
松本清張作品は全国の書店でもGETできますが、ここには往年の長編名作から短編集まで網羅されています。
当時「清張ビギナー」だった私は、とりあえず芥川受賞作品である「或る「小倉日記」伝」と、推理小説の有名タイトルを中心に買い漁りました!おかげで帰りの荷物がとんでもないことに^^;
清張作品を読んで思ったのは、推理小説がすごく分かりやすく、読みやすいということです。「ミステリー初心者にオススメするなら、清張かも!」と思うくらい。
長編なら「点と線」、短編集なら「張り込み」あたりから清張ワールドに入ると良いと思います。当記事で興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてください^^
さて、こんな風にミュージアムショップで書籍を買うと・・・
オリジナルの紙製カバーが貰えます。タバコを吸う清張の写真と、清張が手がけた作品タイトルが軒を連ねたもの。良い記念になりました。
まとめ
『松本清張記念館』のナビゲートは以上になります♪
今回最も腑に落ちたのは、「松本清張が遅咲きの作家であったこと」です。小卒の清張はいわゆる“学歴コンプレックス”を抱いており、職種も転々としていた・・・とか。
劣等感と闘かった清張だからこそ、人間の本質や社会問題など、世の中の裏側に目を向ける感性を身につけたのかもしれません。あの膨大な蔵書の数からは、自らを学びへと奮い立たせた、清張の気概が窺えました。
松本清張が“社会派ミステリー”の開拓者になるためには、長い歳月を必要としたことでしょう・・・。清張の作品を「読んでみたい!」と思うきっかけになると同時に、その生涯を尊ぶ思いになる展示内容でした。
今回は時間の関係でカフェや映像など、見切れない部分も少なくありませんでした。気になる方はぜひ、現地へ足を運んで見てください^^