
今回ご紹介するのは、山梨県北杜市にある『中村キース・ヘリング美術館』です。
山梨県北杜市といえば、八ヶ岳を臨む自然豊かな場所。美術館の近隣には「道の駅 こぶちざわ」などがあります。(私は小淵沢駅からタクシーを利用しました)
コンクリートの外観は、一見無機質。しかし中に入ると、ポップな色使いと独創的な表現で私たちを魅了してくれる・・・それが『中村キース・ヘリング美術館』です。
いい意味で八ヶ岳山麓の雰囲気とギャップがある美術館。それではこれより、展示を見た感想やおすすめの楽しみ方、グッズ情報などをお届けしていきます。どうぞ観光に参考にしてください♪
キースへリング美術館に行ってきました!
『キースへリング美術館』を発見したのは、タクシーで「道の駅 こぶちざわ」からゴルフ場方面へと山を登っていく途中でした。

通りの左手。少し下って奥まったところに、隠れるように建っています。コンクリート打ちっぱなしの外壁&ガラス越しに見えるネオンがなんとも近代的!
ちなみに美術館の左手には小川と散策路があって、

清流の音と鳥の声と、ひんやりした空気がとても気持ち良かったです。
前置きが長くなりスミマセン、ここから館内の様子をお伝えしていきますね!
《受付》
スタッフはTシャツを着た若いお兄さん・お姉さんたち。竹下通りの古着屋店員さんのような、サブカル系のおしゃれな方達でした。
恐る恐る声をかけるととても親切で、荷物を預かってくださったり、帰りのタクシーを呼びたいといったら番号を教えてくださったり。気持ちの良い対応に感謝です^^
《展示室》
展示室で最初に目に入った作品は、黒いキャンバスに黄色いラインで描かれた男性の体でした。タイトルのないこの作品、かなりセクシュアルなものでインパクト大。
先へ進むと、これまたインパクトの強い彫刻作品が登場します。

奥の作品は、キース・ヘリング最後の作品<キリストの生涯>。十字架や天使、赤ん坊、民衆などが描かれたオルターピース(祭壇飾り)です。
これが亡くなる直前に制作されたものとは思えないほど、生命力に満ちた力強い作品でした。暗闇と光の演出も素晴らしい。
手前のスチール?による立体作品<無題>。これはとりあえずポーズが気になりますね!両手をあげガニ股で構える人と、そこへ頭から突っ込んでいく人。
突進を受け止める(?)ガニ股の人のお腹は空洞・・・それは空虚なのか、寛容を表しているのか?突進する人は攻撃なのか、それとも胸に飛び込んでいるのか?
他の展示作品も見て気がついたのですが、キース・ヘリングって“お腹に穴が開いた人”を多く描いているんですよね。これには大きな意味があるように思えてならないのですが・・・。
とりあえず答えは出ないまま、先へ進みます。
打って変わって、吹き抜けの明るい展示室へ!

手前の躍動感溢れる作品は、赤&黄色というビタミンカラーの組み合わせでエネルギッシュ!差別のないフラットな関係―そんなふうに見えました。
奥の立体作品は、アングルを変えると両脇に突き出した腕が見えます。サーカスの曲芸のように見えますが、うーん、首を痛めそうで心配になる・・・信頼関係がないとできないポーズですよね(?)
左手奥の大きな絵画は、無数の人々が絡み合い入り乱れるユニークな作品。隙間なくぎゅっとひしめき合っていますが、色使いはやや優しめな印象です。
室内展示についての感想はここまでとします。ポスターサイズのものから大きなものまで、まだまだたくさんの作品がありますが、あとは現地でご覧になっていただきたいと思います^^
《野外展示》

屋上には2つのハートの鏡が、寄り添うように設置されています。
ここへ来て屋根の形と色が面白いことに気がつきました。

屋上から中庭へ。中央にはブリッジをした人の巨大フィギュアがあります。

この中庭は「ミュージアム・シアター」とされていて、イベントを開催することもあるとか。カーブを描く外壁の一部がギザギザしているのが独特です。
それにしても、ずいぶんとヒネリの効いた建物ですよね。いまだに全体像が掴めません。
『キースヘリング美術館』を設計した北川原温(きたがわら・あつし)氏は隣接するホテル「キーフォレスト北杜」も手がけたらしく、両者が提携した割引制度や企画もあるそうです。
ちなみにこのとき、北川原温氏に関する企画展も開催されていました。(2025年6月7日〜2026年5月17日)
なんというか・・・ものすごく難しい領域でした^^;

巨大フィギュアの下はアーチのようにくぐることができます。このフィギュアもまた、お腹に穴が開いていたので

その穴から空を見上げてみたりして!
キースへリング美術館の楽しみ方や特色は?
『キースへリング美術館』の楽しみ方はいろいろ。
キース・ヘリング自身が「多様性」を問い続けた人で、『キースヘリング美術館』もそのテーマを重視しているようです。
だからアートとして純粋に楽しむも、そこに込められたメッセージを読み取るも自由だと思います。
ただし、キース・ヘリングという人物を学ぶことで、作品に対する理解と想像が深まるのは確かです。やはりここに訪れるなら、彼についての知識があった方がより楽しい!
ということで、キース・ヘリングについて私なりに解説致しますね。
《キース・ヘリングとは》
キース・ヘリング(1958〜1990年)は、アメリカの画家。地下鉄構内に絵を描く「サブウェイ・ドローイング」で名を轟かせたアーティストで、いわゆる「ストリートアート」の先駆け的存在です。
太く力強い線と鮮やかな色使いが特徴的で、絵画の他に彫刻なども手がけました。「人」「犬」などをモチーフとして扱うことが多く、それらをシンプルなラインで模っています。
プロテスタントの家に生まれ、「ジーザス・ムーブメント」の影響を受けたキース・ヘリングは「光り輝く赤ちゃん」などキリストをテーマにした作品も多く残しました。
また、キース・ヘリングはエイズに関する作品も多数制作。彼自身かエイズ患者であり、31歳という若さのキース・ヘリングの命を奪った病が、他でもないエイズによる合併症だったのです。
キース・ヘリングは亡くなる2年前の1988年、LGBTを公表。死を悟った彼は、エイズ撲滅やLGBTの認知拡大のための活動を、そしてそれらへの差別と戦う決意をします。
前項で「セクシュアルな作品があった」とお伝えしましたが、こういった背景を知っていると合点がいきます。それらは決していやらしいものではなく、彼の社会活動のひとつであったのだ・・・と。
作品を通して、強いメッセージを投げかけ続けた人だったのですね。
《夜に・・・》
話はガラリと変わりますが、『キースヘリング美術館』には夜ならではのお楽しみがあるようです。
これは私も未体験なので、参加した方がいらっしゃればぜひ感想をうかがいたいのですが・・・

その企画とは、なんとナイトミュージアム!
今夏(2025年)は7.8月の週末に開催されたようです。
具体的な内容はこのチラシの裏面に。

ナイトミュージアムでは、「キース・ヘリングが蛍光塗料を塗った作品に、ブラックライトをあてて展示する」というスペシャル演出があるとのこと!
また、キースヘリング美術館は「ホテルキーフォレスト北杜」に隣接しているのですが、そのホテルで建築様式や展示を楽しんだり、スペシャルドリンクを堪能したり・・・。うわ〜面白そう!!
帰りのあずさの中でこのチラシを見ながら「もし来年以降も企画があるなら、それこそホテルキーフォレスト北杜の予約を取って参加してみようかな〜」とか考えてしまいました。
調べたところ、夏の夜だけでなく冬の夜に開催された年もあるようです。雪の中のナイトミュージアム・・・それもまた良いですね。
キースへリング美術館のショップも訪れました!

ここからは『キースへリング美術館』のショップ情報です。
先ほど紹介した中庭に面しているカフェ。(この時は休業中)
その奥にミュージアムショップがあります。
ショップの中の撮影は失念してしまいました、スミマセン;
ポストカードやステッカー、ピンバッジ、図録といった定番グッズの他、アパレル商品(Tシャツ、バッグ、靴下等)の品揃えが豊富でした。デザインもファッショナブルです。
靴下が可愛かったな〜!ちょっと奮発して買えばよかった><
全体的にややお高めでした。なので、私はお手頃なポストカードをGET!(¥165)
「DJ DOG」

キースヘリングのワンちゃんと言えば、このフォルム!ワンちゃんが笑っているように見えたのと、パステルカラーが可愛かったので購入しました。
この絵はさまざまな配色でグッズ化されていて、元の色がどれか分からないのですが、いずれにせよ原作はもっとビビッドな作品だと思います^^
まとめ
『キースヘリング美術館』のご紹介は以上です。
キース・ヘリングを知って驚いたのは、彼が35年も前に亡くなっていたということ(1990年没)。まさか私が生まれる前にこの世を去っていたとは思いませんでした。
古さを感じさせないどころか、いまだに時代の先を行っているような前衛的な表現。そして、現代にも通じる価値観を誰よりも先に持っていた人。
そんな彼の作品のコレクションを展示する、世界でたった一つの美術館、それが『キースヘリング美術館』です。
八ヶ岳山麓には魅力的なスポットが点在していますが、インパクトならここはどこにも負けないと思います。豊かな自然の中のスパイス的存在!
小淵沢でレジャーの際は、ぜひ足を運んでみてください。
それではご覧いただき、ありがとうございました^^
