今回は『富山城』(登録有形文化財)の見どころをご紹介します♪
城址公園をはじめ、お城の中にある『富山市郷土博物館』や隣接する『佐藤記念美術館』を見た感想もお届けしていくので、興味のある方はぜひご覧ください。
『富山城』は、JR富山駅から徒歩10分。富山軌道線(路面電車)に乗るなら「国際会議場前」が最寄り(徒歩2分)です。
それではどうぞ!
富山城の見どころを紹介♪
『富山城』の見どころは大きく分けて3つ!
- お城と城址公園
- 富山市郷土博物館
- 佐藤記念美術館
②、③は後ほど特集しますので、ここではまず富山城のあらましをお伝えしつつ、①についてご紹介いたしますね。
富山城は、戦国〜安土桃山時代の武将である「佐々木成政」や、富山藩主だった前田家の居城でした。
明治6年の廃城令で富山城ももれなく廃城となったため、現在の天守は昭和29年の「富山産業大博覧会」の記念に建てられた鉄筋コンクリート製の模擬天守です。
しかしながら富山城は「続日本の100名城」に選出されており、富山観光では欠かせない人気のスポット!
模擬天守とはいえ、お堀を挟んだ眺めは壮観です。
当時の富山城は神通川の水をお堀に引き、鉄壁の守りを固めていたことから「浮城」とも呼ばれていたのだとか。格好いい!
このお堀の右手にぐるっと回ると、
市の文化財に指定されている「千歳御門」があります。
実はこれ、富山城の中で唯一創建時の姿で現存している建造物なのです!
「三間薬医門」という格式を誇る形式で、現在残っているのはこの千歳御門と東大の赤門のみとのこと。
さて、そんな貴重な遺構を潜って城址公園に入ってみましょう♪
広々とした公園の中にそびえ立つ富山城。こうして見ると、あまり大きくない印象を受けます・・・が!
当時の富山城は現在の城址公園の6倍の大きさだったと言われています。え!6倍!?
この6倍・・・!?それはさぞかし威厳に満ちていたことでしょう・・・!
話は変わりますが、富山といえばお薬で有名ですよね。
その所以をここ城址公園内で知ることができます。
(左)像の人物は、富山藩二代目藩主の前田正甫(まえだ・まさとし)公。
(右)正甫とお薬について。そのエピソードをざっくりとまとめると・・・
参勤交代で諸大名が江戸に集まった際、そのうちの1人が腹痛に見舞われ、正甫公は懐に忍ばせていた「反魂丹」を渡す ↓ するとびっくり、その大名は目覚ましく回復! ↓ これを見た諸大名が「うちも反魂丹が欲しい!」とリクエスト ↓ 正甫の命により、諸国にて富山売薬がスタート! ↓ 富山は「薬都」と呼ばれるように・・・ |
と、こんな感じでしょうか?
正甫は大名であり、「富山の薬売り」の始祖でもあった・・・ということですね!
【美しき日本庭園】
城址公園には心洗われる美しき日本庭園があります。
まずは写真をご覧ください。
岩と水と緑の組み合わせが見事な、池泉回遊式の日本庭園!かつて本丸にあった庭園をイメージして作庭されたそうです。
滝の音が気持ちよくて、はぁ・・・癒される〜
【展望台より】
お城といえば天守最上階から街をぐるっと眺めるのも醍醐味ですよね。富山城の展望台からは、街の奥向こうにある立山が望めます。
【荒城の月と富山城】
瀧廉太郎作曲・土井晩翠作詞の「荒城の月」は小中学校の音楽で必ず習うと言ってもいい名曲ですが、実はその「荒城」のモデルがこの富山城という説があります。
富山城すぐそばの松川沿いにある「松川茶屋」(遊覧船チケット売り場)の奥に、瀧廉太郎の特集コーナーがありました。
富山で少年時代を過ごしたことのある瀧廉太郎。幼心に抱いた感傷から着想を得たのでしょうか?
モチーフは他にも存在するとか諸説あるらしく、そう思って聞くとまた味わい深い曲になります。気になる方はこちらもチェック!
富山城の博物館を見学!
富山城の中は、『富山市郷土博物館』となっています。
常設展には城址からの出土品や
かつて天守閣にあった鯱(しゃちほこ)などが展示されています。オス・メス共に120cmを超える大きさです。
大きいと言えばコレ!
この長〜い兜は「銀鯰尾形兜」と言い、なんとその長さは127.5cm。加賀前田家二代目の前田利長が着用したもので、これを被った利長は3メートル越えの巨人となり敵に威圧感を与えたとか。
富山城の石垣には石工が識別のためにつけたとされる刻印が刻まれているものがあるそうです。あ、そういえば・・・
石垣の中に一つ、罫線が刻まれたようなものを見つけたのですが・・・これは該当するのかな?どうなんだ・・・どうなんだろう、気になるな〜!
さて、話をお城の中に戻しまして
薬都・富山らしく、薬箱も展示されていました。
隣にあるのは紙風船でしょうか?
ここからは観覧当時(2025年5月)に開催されていた企画展「とやまのあそび」の展示内容となります。
ここに展示されている紙風船は、富山の「売薬さん」のオマケ。娯楽の少なかった当時の子供達に大変好まれたものだそうです。レトロな絵柄に魅力を感じる人も多いのでは?
伝統的なカードゲーム「家族合わせ」の札や
(札を交換しあって家族のメンバーを集める遊び)
往年の定番ボードゲーム、すごろくもあり。
富山の遊びの様子は絵画の中から知ることもできます。
例えば、この巻物。ここに描かれているのは「籠の渡し」と言い、川の両岸に綱を通して、そこに籠・箱を吊って人や荷物を渡すというものです。
いわば交通手段なのですが、人が渡る際はその眺めを楽しんでいたのだとか。越中―飛騨の国境は深いV字谷になっていて、その景観を目的にわざわざ富山藩主が訪れたこともあったそうです。
正直、ちょっと「ヒェッ・・・」ってなりました^^;
版画やチラシの中に、スキーが描かれることが多かったのも特徴的。西洋のイメージが強かったスキーですが、雪国富山では健康的なスポーツとして、富山の豊かな山と結びつけて描かれたそうです。
佐藤記念美術館も見てきました!
最後に紹介するのは、佐藤記念美術館!
城址公園から、日本庭園を挟んだ向こうに見えるのが美術館です。
もう一つお城があるのかと思ってしまうような、立派な建物!
郷土記念館との共通券がお得なので、ご覧になる方はぜひセットでご購入くださいませ^^
こちらは館内の撮影NGなので、外で記念撮影を。
石造りの外壁と石像も印象的でした。
石像視点で富山城を眺めてみたりして・・・♪
この佐藤記念美術館は、富山県砺波市出身の実業家兼茶人だった佐藤助九郎のコレクションを中心に収蔵・展示しています。茶室や茶湯道具、書院座敷の紹介も有り!
【コレクション】
アジアの陶磁器や日本の近世絵画、工芸品・・・など、東洋古美術を好んで集めていたことが分かるラインナップ。
【茶室】
「助庵」「柳汀庵」という2つの茶室と、総檜造りの書院が佐藤家から移築展示されています。侘び寂びがそのままの姿でここへ移されており、その佇まいは風流そのもの。
今回は見ただけですが、「助庵」では呈茶もあるそうです。お茶の文化を味わいたい方はぜひ!
―――と、写真がないためかなり大雑把な説明にはなりましたが、日本の風情やオリエントな美しさを存分に味わえるのが「佐藤記念美術館」です。
まとめ
富山城〜富山市郷土資料館〜佐藤記念美術館のレビューは以上になります。ご覧いただき誠にありがとうございました!
振り返ってみると場所自体はコンパクトなのですが、多種多様な文化芸術や貴重な資料がここにギュッと凝縮されていて、とても2館+庭園のみとは思えないボリュームでした。
歩いた距離<<<<<学んだこと
という感じで、何より驚きなのが「共通券¥320-」という事実!
味わった充実感を考えるとかなり破格です^^
高い満足度を得られること間違いなし。富山観光の際は、ぜひ富山城へ!