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当記事では、目黒雅叙園の『百段階段』を見た感想をお届けしています。

 

ここはJR目黒駅より徒歩3分。目黒川方面へ向かって坂を下ると到着です♪

この『百段階段』は現在の目黒雅叙園内で唯一の木造建築で、建設されたのは1935年。当時の大工、画家、建具師、塗り師・・・と多方面の一流職人が総力を結集して作り上げた技術の賜物です。

 

江戸時代から続く美術に、昭和初期のモダニズムを掛け合わせた傑作で、東京都の有形文化財に指定されています(2009年〜)。

 

今回はその驚くべき建築美をお届けするとともに・・・

2024年3月より開催中の企画展『百段階段×昭和モダン〜東京モダンガールライフ』の面白さもお伝えしていきますね!

 

目黒雅叙園 百段階段の感想は

それでは『目黒雅叙園』百段階段の感想をご覧ください♪

まずは0段目からの眺め。真っ直ぐ続く階段と、天井に描かれた雅な絵は、壮観の一言に尽きます。

 

ちなみに、ここは履物を脱いで観覧するスタイル。そのため靴下が必須です!

階段の途中に、各部屋へと続く廊下が現れます。どの部屋も奥まった配置になっていて、中まで進まないと様子が分からない仕様です。これは興味をそそられる〜!

10段ごとに段数が表示されており、90段目からはカウントアップされています。

最上段に到着!・・・あれ、『百段階段』なのに99段でおしまい?

 

そう、実は『百段階段』には100段目が存在しないのです。その理由は、

・奇数が陽数=縁起のいい数とされているから

・9が陽数の中で一番大きい数だから

・100という完璧な数から1を引くことで、発展の余地を残したかったから

 

などと言われています。私は思わず「数え間違い?」と二度見してしまいましたが、99という数字にはたくさんの願いが込められているのですね^^

 

ここは【十畝(じっぽ)の間】。7つの部屋の中で一番下段にあり、一番大きい部屋です。

菱形の障子の格子がオシャレ!漆黒の螺鈿(らでん)や天井絵には伝統美を感じます。

【漁樵(ぎょしょう)の間】の柱には、彫刻が施されていました。中国に伝わる漁樵問答(漁師と木こりのやり取りを描いた作品)のワンシーンを表現しているそうです。

見上げると、天井絵も壁面の絵も彫刻。室内は全て純金(金箔、泥、砂子)で作られているらしく、まさに絢爛豪華!

【静水(せいすい)の間】の見どころは、5人の画家による扇の絵。部屋の名は画家の一人「橋本静水」が由来となっているそうです。

 

「控えの間」と「奥の間」に分かれており、先に紹介した2つの部屋よりも小さめで慎ましやか。しかし、言われなければ見過ごしてしまうような、細やかな技術が光る部屋です。

枝の付け根のデコボコをそのまま利用した柱。こんな複雑な形をした柱を、長押や欄間、壁とピッタリ重ね合わせるには、相当な技術を要するそうです。

【清方(きよかた)の】間の網代天井。薄く切った杉を編み込み、そこに杉で模った扇がはめ込まれています。色のコントラストは少ないのに、華やかで大迫力!

 

寸分の狂いもない曲線が美しく、思わずため息が出てしまいました。技術の高さで見た人を黙らせてしまうなんて、格好良すぎる!

 

目黒雅叙園 百段階段は着物がひとつのみどころ♪

目黒雅叙園『百段階段』の企画展では、乙女心をくすぐる着物が展示されていました♪

 

『百段階段×昭和モダン〜東京モダンガールライフ〜』のテーマは、ずばりモガ!

 

大正末期〜昭和初期は、女性たちの文化の過渡期でもあります。西洋文化の輸入によって、新たな趣味・仕事を楽しむ女性が増え、それに伴ってメイクやファッションの趣向も大きく変化しました。

 

和の中に洋のアイテムを取り入れ、融合させる・・・これぞ「昭和モダン」!私はこの時代の独特な雰囲気がたまらなく好きです^^

 

「銀ブラ」をテーマにした2人のモガ!

(銀ブラ=銀座をブラブラ散歩すること)

洋装のモガは、白いレースと日傘がネイビーのワンピースに映えて可愛らしいですね^^ 柔らかい暖色のスカーフとターバンが華やかなポイントになっています!

 

和装のモガが着用している着物は、銘仙(だったと思います)。お花のモチーフは古典柄の着物にも多いですが、これは近代的な印象のデザインです。

 

着物はスモーキーな色味ですがカラフルなので、帽子やストール、帯が黒だと締まって見えて格好いいですね!帯揚げが鮮やかなマゼンタなのが、またアクセントになっています。

 

素人の私には、「こんなコーディネート、どうやったらひねり出せるの?」と不思議で仕方ありません。モガたちのセンスは末恐ろしい!

「夜会」をテーマにしたコーディネートです。

モボ(モダンボーイ)も一緒でした。このモボ、まるで竹久夢二が描く男性をマネキンにしたような感じ!

 

モガの着ている着物の柄は、西洋のアンティーク壺でしょうか?配色や直線のデザインと相まって、なんだかトランプのようにも見えてきました。

鍔の広い帽子やレースのグローブが黒で、ロマンチックかつシックにまとまっていますね。こうやって見ていると、「モガは黒の使い方が上手だったんだなぁ〜」と感じます。

 

【頂上の間】では、画家の加藤美紀氏が企画展のために書き下ろした絵と、この作品に描かれた着物の実物が展示されていました!

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着物自体が真っ黒というのは、相当難易度が高いような気がします。なんたって黒の面積が多い!

 

重く地味にならないように・・・と、つい華やかな色を足したくなりますが、これは黒・白・赤の三色のみでコーディネートされていて潔さを感じます。格好いい・・・。

 

 

目黒雅叙園 百段階段のグッズとは?

目黒雅叙園『百段階段』に展示されていたグッズをご紹介します!

 

《モダンガールのおめかしグッズ》

【魚樵の間】には、モガが好んで使っていた香水やメイク道具、アクセサリーなどがズラリ。

 

撮影不可のため、残念ながらここでは写真でご紹介できないのですが、容器や箱がとにかく可愛い〜!モガを描いたお菓子の箱もありました。見ているだけで胸が躍ります♪

 

《職業婦人》

着物の項目で紹介した【十畝の間】には、こんな装いのマネキンもありました。

 

カフェの女給さんと、タイプライターを打つ女性。当時の「理想の働く女性像」だったそうです。

 

クリームソーダと女給さんの取り合わせは、現代でいう「映え」に近い感覚があります。

 

ワンピースに身を包みタイプを打つ女性は、仕事にもオシャレにも余念がない「デキる女像」として、憧れの存在だったのかな^^

 

この写真の中のほとんどが「レトロなもの」になってしまいましたが、クリームソーダはそのままの形で現代も残っていますね。100年以上もの間、姿を変えずに愛されている・・・と思うと、クリームソーダってすごい!

 

【草丘(そうきゅう)の間】では、ステンドグラスの美しいBARが再現されていました。

1929年発売の「婦人世界 7月号」には、「モダンガールは洋酒に詳しくないとね」というような記載があったそうです。

 

BARで洋酒を嗜むというのは、モボ&モガの定番デートプランだったのかも?とことんオシャレなものを好んだのですね^^

 

《モガのバイブル!竹久夢二&小林かいち》

この2人は大正レトロ&昭和モダンを代表する美人画作家!ここにはモガのヒントが詰め込まれています♪

【竹久夢二】

「婦人グラフ」「令女界」などの女性誌の表紙を飾った竹久夢二。彼の描く美人画は、モガのお手本のような存在でした。

 

なるほど、ここに描かれている女性は皆オシャレ!夢二は男性でありながら、モガたちのファッションリーダーだったのですね^^

【小林かいち】

「京都のアール・デコ」と呼ばれる小林かいちはかなり謎の多い画家で、その作風もミステリアス。こんな風に、顔の描かれていない作品も少なくありません。

かいちの作品は、赤とモノトーンの配色が多いのも特徴的。着物の項目でも紹介した通り、モガはこの配色を好んだのではないでしょうか。

 

まとめ

目黒雅叙園の「百段階段」、江戸自体からの伝統的な美意識に昭和のモダニズム要素を盛り込んだ『百段階段』と、モガは見事なマッチングでした!

 

この素晴らしい企画を立案した人に、拍手を送りたいです^^

建築の奥深さ、モガの築いた文化。その両方を味わうことができ、大満足の1日となりました♪

 

ちなみに展覧会の一般料金は1600円。(特別前売り:1300円)

夢二やかいちのグッズがついたチケットや、ギャラリートーク付きチケット、ランチとのセットも販売されています。

 

会期は2024年3月23日(土)〜6月16日(日)。

気になる方は要チェックです♪

>>目黒雅叙園の案内を見る

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